中区元町の戸建て

今回は横浜市中区元町の中古戸建ての個人間売買瑕疵保険の審査です。 実はこの依頼主様は対象物件に隣接している戸建て住宅を保有していて、今回売りに出た物件を購入予定であるとのことでした。 当初の要望は、登記費用減税・住宅ローン減税の為の耐震基準適合証明書の発行依頼でした。クランツ事務所は耐震基準適合証明書の審査発行のサービスを提供していますので、当事務所のHPからの来客でした。

しかしながら、耐震基準適合証明書が発行可能か否かの事前審査で不適合と判断いたしました。戸建て住宅の「耐震基準適合証明」は一般診断法による耐震診断の結果が数値をクリアーする必要が有ります。 クランツ事務所の場合では、実際の耐震診断に入る前に図面上でおおよその判断を行います。一階と二階の平面図があれば合格するかしないかのおおよその予想が可能なのです。 誤解の無いようにお伝えしますが、戸建て住宅の耐震基準適合証明書が取得できない物件は少ないわけではなく、逆に8割以上の戸建て住宅が耐震診断をクリアーできません。

耐震診断の発行が不可の旨を依頼主様にお伝えし、減税対策では他の方法として「既存住宅個人間売買瑕疵保険」に入ることで代用可能をお伝えしたところ、この保険に加入することで話がまとまりました。

物件検査と付保証明書の発行

中区元町の戸建て

この戸建て住宅は平成3年の新築で、築27年が経過しています。 住宅の瑕疵保険の保証は基本的には漏水と構造の2点です。通常では20年に満たないうちに外装の塗り替えなどのメンテナンスを行うべきと考えます。なぜなら新築後の防水保証の期間は10年程度が普通です。その理由は防水材料の耐用年数からきています。

例えば外壁にサッシを取り付けた後、サッシと外壁の隙間をゲル状のシーリング材で充填をしますが、直射日光等を過酷に受ける部位などでは、短期間で劣化します。劣化したところは防水性能も損なわれる危険性があるため、ある一定期間のうちに外装メンテナンスを実施することが必要なのです。

そんなわけで、築27年の間には外装メンテナンスを行っておくべきなので、審査ではこの部分を重点的に調査します。築27年の間に一回もメンテナンスをしていない住宅では、瑕疵保険の検査にパスすることは難しいのです。

幸にこの住宅は6年ほど前に外装のリニューアルを行っていて、見た目もとてもきれいな住宅でした。まず見た目がとても大事で、20年以上経過した住宅では外壁や屋根にコケが生えたり、大気汚染されたりして、見た目がとても汚いです。リニューアルをしていない住宅は、たとえ今現在が漏水していなくても、何時に漏水してもおかしくないと判断されるので、保険としては入れない可能性が高いのです。

内部調査でも漏水の形跡は無く、地盤の不動沈下が原因として現れることの多い床のゆがみや壁・柱の倒れも極小で適合の範囲に入っていましたので、保険に適合していることが確認できました。

依頼主様の当初のお考えでは、税制優遇を受けるために瑕疵保険に入るとのことでしたが、どうせなら最高の保証を受けたいとのことに変わり、保証期間を5年・保証金額を1000万円とすることで保険に入ることにいたしました。 タイトな審査期間でしたが、何とか間に合わせることが出来ました。 依頼主様は大変お喜びでした。